「腰痛を改善したい」
年代を問わず腰痛で悩んでいる人が最近特に増えているようです。
一口に腰痛といっても、原因や症状は様々です。
○腰痛症
レントゲン等の検査で特に異常が見つからなくても、腰のこわばり、重だるさ、鈍い痛みがある。
それは、普段の悪い姿勢で筋肉に負担がかかったものかもしれません。デスクワークの多い人は前かがみがツラく、スポーツで痛めた人は反りかえりがツライようです。
いずれも筋肉の柔軟性を高めることが大事です。前屈、側屈、ねじりなど無理せず筋肉をやわらげましょう。
○ぎっくり腰
突然腰部に激痛が走り、身動きが取れなくなったものです。
筋肉や靭帯が急に引き伸ばされたり、椎間板が靭帯を圧迫したりと言われますが、日頃の過労の蓄積が腰に来たということで、腰を痛くして動けなくして体を休めさせようとしています。
素直に楽な姿勢で(えびの様に丸くなって)患部を冷やして休むことです。休養第一です。風呂や湿布で温める人がいますが、温めることは厳禁です。
一般的には1日目くらいは冷やして、2日目くらいからは自然のままが良いでしょう。
あまり冷やし続けると血行が悪くなって治りづらくなります。膝裏やふくらはぎをよく揉んでおくと治りが早いですし、予防にもなります。
○すべり症
若い成長期の人に多い。椎間関節が成長中で激しいスポーツなどで腰骨が耐えられなくなる。
中高年に多くみられる過齢で椎間板や靭帯の強度が低下し、腰椎の一部がずれてしまったもの。
いずれも体を動かす度にずれた部分の骨が動き、神経が刺激され、腰や足に痛みや痺れが出ます。中腰、前かがみ、重いものを持たない等、腰に負担になることは避けましょう。少し落ち着いたら、腹筋や背筋を鍛えることが大事です。
○腰椎 椎間板ヘルニア
椎間板(クッション)が飛び出し、神経を圧迫することで痛みが出ます。
【症状や特徴】
- 上向きに寝て片脚をあげると、脚がピーンと痛くなる
- どちらかというと腰よりも脚(足)に痛みや痺れが出やすい
- 片方の脚に症状が出る
- 足の指に力が入らない、甲側に曲げられない
- 爪先立ちができない
- 前屈が辛い
- 咳やくしゃみで痛みが増す
- 夕方に症状が重くなる
- 比較的に若い人(20代、30代)もなりやすいが、40代、50代に多い
- 座っていても(腰掛けていても)痛みがでる
レントゲン等でヘルニアと言われても、痛みが出ない人もいれば、知らない内に飛び出した椎間板が元に戻っていることもあります。まずは腰に負担をかけない姿勢や動きが大事です。体の冷え、疲労、睡眠不足、ストレスに注意しましょう。
仰向きに寝て両膝を立て、腹筋を緩めて両手の指先で下腹部(そけい部近く)をゆっくり押さえていきます。グッと押すと腰にひびくところがあったら、そこをゆっくり丁寧に息を吐きながら押しこんでいき、息を吸いながら手を離すのを7〜8回繰り返します。
うつ伏せに寝て肘を立て、顔を上げ、上半身を起こして反らせます。30秒〜1分したら元に戻し、それを3〜4回繰り返します。ただし無理はしないようにしましょう。
○脊柱管狭窄症
脊柱管が狭くなり、神経を圧迫して痛みや痺れが出ることで、60歳以上に多く見られます。神経根型、馬尾型、混合型に分けられます。
主に腰椎下部(L5)の圧迫で左右どちらかに出る。お尻、太もも外側、ふくらはぎ外側、足の甲などに出やすい。つまづきやすく、皮膚の感覚もにぶい。長く立っていると辛くなる。
お尻から両脚の広い範囲に出る。痛みより痺れがひどいのが特徴。脚の脱力感や知覚もにぶくなる。灼熱感、ジリジリは感覚異常から出る。
尻から脚全体の痺れ感に加え、痛みも伴う。歩行が困難になったり、排尿、排便障害が出るようになったら病院で診てもらいましょう。
【症状】
- 長く歩けない、少し前かがみで休むとまた歩ける(間欠跛行)
- 前屈すると楽になり、後ろに反ると辛い
- 立っているだけでも辛くなる
- 自転車や手押し車は大丈夫
- 上を向いて寝ていても辛くなる
- 足の裏にも痺れが出る
改善の一番良い方法は、ひざ抱えです。横向きか上向きに寝て、両膝を両手で抱え込む方法です。
(片脚ずつでも良いです)腰を丸くすることで脊柱管が広がり、楽になります。抱え込んだら30秒〜1分そのままにして戻して、一呼吸おいてまた始めます。3〜4回は行ってください。上向きに寝る時は、膝下に枕やタオルを丸めたものを敷き、膝を立てると腰は楽になります。
体が硬い人は、腰痛になりやすい?!
どの病名の腰痛であれ、腰を悪くする人はまず体が硬いのが特徴です。筋肉に弾力性が無くなり、神経や血管を圧迫しているのです。(年をとった人は筋肉に力がなくなり、骨に負担がかかって悪くなります。)まずは筋肉を柔軟にすることが一番大切です。
太ももの後ろ側、ふくらはぎ、アキレス腱を伸ばしたり、足首をやわらかくしたり、足の指運動等をしましょう。
腰をやわらかくするには、上向きに寝て両膝を立て、立てた膝を左右にゆっくり倒すのを10回くらい繰り返すのが良いです。肩甲骨も腰に関係してきますので、腕や肩を大きく回すなどして、肩甲骨をゆるめることも大事です。顎関節も腰に影響します。割り箸を横にして奥歯でくわえて3〜4分そのままにしておくだけでも顎は少し改善されます。
治療は早ければ早いほど、治りも早くなります。